こんにちは!ウェブライターのハルノ(@haruno_sudo)です。
日々、世の中にはいろんな生き方をしている人がいるな、と世界の広さにひれ伏しております。(だんだん人生を追求するブログになりつつあるよね)
今回、変わった生き方を体現している獣医師の、さとみさんにお話を聞かさせて頂きました!獣医師って聞くだけでも特殊な職業な気がしますが、それに加えていまは世界一周中の旅をしている方です。
(獣医師で旅人…?)
今回は、そんなさとみさんがどうして世界一周をするに至ったのか?また、獣医師が見る世界とは?そんなことに迫ってみたいと思います!
(記事の途中で動物の殺処分や家畜のお話があります。皆さんに現状を認識していただきたいという思いもあるので、修正を加えず書いています。)
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Contents
獣医師のさとみさんとは
(写真:さとみさん(左)トルコのイスタンブールの海浜公園で地元民のピクニックに参加した)
さとみさんは、福岡出身の女性27歳。
大酒飲みの釣り好き&バイク好きの獣医師さんです。
好きなものがおじさんテイスト(笑)な彼女は、いま世界一周中でブルガリアに居ます。
さとみさんと話しているとわかるのですが、彼女は間違っているものに対してちゃんと間違っていると言い、やりたいことには真剣に向き合い、自分を決して曲げることのない(わたしよりも)頑固な大人です。
(見た目は全然ガツガツしておらず、サラッとしている。)
獣医師として真剣に動物と向き合い、以前は災害で被災してしまった動物たちを保護する施設でばりばり働いていました。
2017年3月から旅人となり世界を飛び回る様になると、各国で感じたことをAnimal Traveler(あにとら)としてブログにまとめては、世界の面白い情報を発信してらっしゃいます。
渡航したなかで一番よかった国は?
まずは、彼女の旅のことについて触れたいと思います。
ハルノ(以下、ハ)とさとみさん(以下、さ)の対談スタートです!
ハ:さとみさん今日はありがとうございます!お願いします!
さ:お願いします!
ハ:今はブルガリアのブルガスにいらっしゃるということですが…
ブルガス(ブルガリア語:Бургас、ラテン文字転写:Burgas)は、ブルガリアの黒海沿岸の都市。ソフィア、プロヴディフ、ヴァルナに次ぐ、四番目に人口の多い都市である。ブルガス州の州都であり、当地の工業と交通の拠点である。ブルガス国際空港は、ネセバル等の黒海沿岸のリゾート、景勝地への接続点となっている。(引用:Wikipedia)
ハ:なんでブルガスなんですか?(どこだブルガスって…)
さ:黒海が見たくて!一応近くに世界遺産の都市がある観光地なんですが、ブルガリアは情報が少ないので(まだ何とも)…
ハ:じゃあこれから(さとみさんが)ブログで発信していって…って感じですね。楽しみにしています!もうどのくらい旅はされてらっしゃるんですか?
さ:えっと、旅に出たのが2017年の3月末でいまは7か月目くらいです。8月に一時帰国しているので~…
ハ:大体半年くらいですね!
さ:そうですね~!
ハ:寂しくないですか?(半年の旅って)長くないですか?
さ:いや、なんかもう普通に生活してる感じですね。
ハ:もう生活の一部になってるんですね、旅が(笑)
_中東にも足を運んださとみさん。カタールに行ったときの話に。
ハ:中東とかどうでした?日本人はあまり旅行にはいかないところだと思いますか?
さ:カタールの5日間は微妙でした。(笑)
ハ:あれ(笑)
さ:観光名所があまりなかったので(笑)突出した観光地がなかったので、そう感じたのかも知れないです。私が渡航したイスラム教国家はマレーシア、カタール、トルコだったのですが、皆良い人ばかりでした。
カタールいたときは、距離間気をつけなきゃって思った人もたまに会っちゃったんですけどね。異教徒の女性ってカタールでは珍しいのかな。5日間しか居なかったのでわかりませんが…
ハ:ナンパってことですか?
さ:そうですね!
ハ:髪バッサリ切って行った効果ありませんでしたね、それは!(笑)
(補足:さとみさんは超慎重派。女性と思われてなめられないようにと日本を発つ前に髪をバッサリ。今はベリーショートなのです。お似合いです。)
さ:そうなんですよ!インドでも全然効果なかったですね。
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_ここで話は、さとみさんが死ぬほど行くことを嫌がっていたインドに。
ハ:そうだ!インドどうでした?!
さ:よかったですよ!でもインドが嫌って人と、好きっていう人の両極端にわかれるのもわかりました。
ハ:あ~なるほど。さとみさん、もうインドに対して耐性ができてたんじゃないですか?
さ:そうかもしれないですね。割と旅してたし既に。インドはホスピタリティがよかったですね。人が良かった!インド人優しかった。
ハ:そうなんですね~。じゃあインドに行ったら優しいインド人に会えれば正解ということで…。
さ:そうですね。でも「インド人いい人しか会ってない!」ってインド人にいったら「それめっちゃラッキーだね」って言ってましたね(笑)インド人でもそんなこと言うんだ!って(笑)
ハ:同じ国民なのに(笑)
さ:でも道端に居る人は本当にいい人ばかりでした。みんな助けようと頑張ってくれる!
ハ:行かないとわからないですね、やはり。ローカルの優しい方に出会うコツってありますか?
さ:現地で仕事をしている日本人の日常に参加させてもらうと、いい現地の人に会える確率が高くなりますよ。
さ:あとは、相手から話してきた人は距離感保ちつつ…って感じですかね。こちらから会話を始めた人は大抵良い人でした。
ハ:さとみさんは観光地に行くというより現地の人に関わる旅スタイルですよね!
さ:そうですね!
獣医として旅をして気づいたことは?
(参考:トルコのカッパドキアで犬猫歩き Animal Traveler)
ハ:旅をしていて動物に関して何か気づいたことはありますか?例えばインドとか。牛が道路を歩いているっていうくらいだから日本とは全然違うんじゃないですか?
さ:そうですね、全然違いますね。インドでは獣医という仕事はあまり有名じゃなく、動物のケアという慣習はないみたいですね。
インドでは牛が神様の乗り物と言われるくらい神聖なものなはずなのに、後ろ足を引きずっている牛がいたり…。コンクリートを普通に歩いてるし、釘とかも落ちてるから…。
(ハ:普通に危ないな…)
さ:地元の人に聞いたら、(獣医とか)そんな職業があるのかさえ知らないって言われました。牛がよく歩いてるのは、バラナシっていうガンジス側の近くなんですけど。
人に対してですら、ガンジス川で泳いだら病が治るとか、お祈りで治るって言っている人もいて!薬が効かなかったらお祈りしかない!とかもしくはお金が無かったらお祈りしかない!みたいな。
ハ:へ~~~!!!
さ:これはリアルに現地の人が言っていましたね。ガンジス川で泳いで体調崩した人に対して「もう一回ガンジス川で泳げば治るよ!」って。
ハ:すごいなそれ(笑)(笑)
さ:でもノラ犬の去勢手術とかはちゃんとされていましたね。これは意外でした。日本も手術したノラ猫は耳カットしてるんですが、バラナシでは結構耳カットされたワンちゃん見ましたね。
島はネコが多い。それは人間の中途半端なエサやりが原因
(参考:キオス島はスーパーも、日曜はお休みなんだって!!Animal Traveler)
ハ:この間のギリシャのキオス島は猫島だったっていう記事、ブログで読みましたけど、そんなに猫多いんですか?
さ:ギリシャの街中でもノラ犬やノラ猫が多いのですよ!行政が管理している犬ネコは首輪をつけていて、どこの公園で生活しているかも町の人とかがボランティアで管理していましたね。
加えてキオス島は、島なので猫は多くなりがちなのですが、村が離れて点在しているにも関わらずネコがどの村にも多かったです。
街中のネコちゃんに比べると飢餓状態のネコちゃんや、毛並みが悪いネコちゃんとか…状態が悪いネコちゃんが多かったですね。
ハ:可哀そう…
さ:人とうまく共存できているのかが疑問でしたね。人間の意識が届いてない気がするな、と感じました。日本の猫島も大概そうなんですけどね。
ハ:そうなんですね!猫が増えすぎちゃって…っていうことですかね?
さ:そうですね。狭い島の中でご飯をあげちゃうと大量に繁殖しちゃって、喧嘩がおきて、小さい子どもはご飯が食べられないとか。日本猫の体格に合わない小柄なネコちゃんが増えているという事実がありますね。
それは、人間が半端にエサをあげて(猫が増えた)結果だろうな、と思います。半端にエサをあげてしまうと、自然の状態が保てなくなってしまうから。
ハ:観光地の「エサをあげてはいけない」といった注意書きが必要なのも納得ですね。
_観光で猫島は考え物なのでは?という疑問に対して
さ:でもそういうことで、猫島が注目を浴びて、エサやり以外のサポートが集まってくることはいいことですよね。
さ:獣医は動物と接するさいに「QOL、クオリティ・オブ・ライフ」ということを意識しています。それぞれの生活の質をあげるための+αのことができるきっかけに(観光が)なるかも知れないですね。
さ:日本の猫島は既にネコが増えたところに人が集まってくるので、寄付などが増えれば、ワクチンなどで病気や頭数の管理ができるようになるかもしれないですね。
人間が関わるのなら最後まで関わらなくてはいけない、ということです。
ハ:なるほど。ペットを最後まで責任を取って育てる、ということにもつながりますね。
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動物との共存を探るのがテーマの旅
ハ:さとみさんのブログを読んでいると、「人間と動物の共存」がテーマなのかなと思うのですが、どのようなことを意識して旅をしてらっしゃいますか?
さ:そうですね。人が意識している以上に、人間と動物の関係って切っても切れないもので。どんな動物種でも、人間は生きている限り関わるものだと思います。食べ物にしても何にしても。
日本の方は特に自然と人間をかけ離れたものとして見がちですけど、そうじゃない価値観のところ(国)も多いと思います。日本がそうならなければいけない、というわけではないのですが、日本人は動物に関して知らないことが多いです。自分が払っている税金が、イヌやネコが殺処分で無駄に殺されるために使用されていることだったり…。
自分の食べているご飯がどこからきているかもわからない。育ててくれる人がいて殺してくれている人がいることもわからずに、生活している人が多くて。
まるで自分が自分だけで生きているような感覚ですよね。教育としてその辺りはどうなんだろうということも思います。その辺りをどう人々に知ってもらうかに焦点を当てています。
ハ:なるほど。(確かにスーパーでお肉が並んでるところしか知らない…。)
さ:世界には(動物に対する考え方として)いろんなものがあるというのを自分自身がまず知らなくては人に教えることはできないし。るってぃさんの言葉を借りるなら、そういうものがあるということを私がアウトプットしていって、それを人に見てもらうということを意識していますね。
(参考:るってぃ講演会レビュー。即興プレゼンで感じたいアウトプットと実行すること)
ハ:なるほど~。(記事読んでくださってありがとうございます。)
さ:これだ!ということを人に押し付けることはしたくないのですが、世界にはさまざまな考え方があるということを私の活動を通して知って欲しいって感じですね。
今後の活動のこと
(参考:トルコのカッパドキアで犬猫歩き Animal Traveler)
ハ:今後日本に帰ったあとはどうされるのですか?
さ:中学の時から思いは変わらないのですが、殺処分の実態を何とかしたいと思っています。先進国の一国として、殺処分がいまでも必要とされていることに疑問を感じます。
殺処分とは、
人間に危害を及ぼすおそれのある動物、または不要となった動物を殺すこと。家畜伝染病の蔓延(まんえん)防止や特定外来生物の防除などのために行われるほか、保健所に持ち込まれた犬・猫などのペットに対しても行われる。(引用:コトバンク)
さ:これは日本人の国民性を問われる問題だと思います。やっぱり他の国の人に話しても驚かれます、日本人が毎年どれだけ動物の殺処分をしているのかを伝えると。
ハ:そうなんですね…。
さ:「え!日本人ってなんでそんなことするの?優しい国じゃないの?」って言われますね。
ハ:それは悲しい…。
さ:インドとかだと、目の前で動物を絞めて、「彼らは死んでくれているんだ」っていう言葉を使って人に教えたりします。自分が食べているものがどうやってきているのかを知ることは重要だと思います。
(ハ:中国で泊めてもらった友達の家でも鶏絞めてたなぁ…)
さ:先進国は割とそうなのかもしれないですが、アメリカの子どもは魚が切り身のまま海を泳いでると思っている子もいるとか。命を軽んじている気がしますね。
ハ:命を軽んじてるという言葉は刺さりますね。
慈善活動が多いオーストラリアで活動を
さ:この旅が終わってお金を貯めたら、オーストラリアに行くと思います。行く目的はお金を稼ぐということと、向こうの動物愛護の団体とかにどっぷり入ってみたい。
ハ:オーストラリアはボランティア多いですもんね。
さ:そして2周目行きたいですね。
ハ:へ…?2周目…?世界ですか?
さ:はい。エジプトとか今回行けないところがあるので…。
ハ:この人ホンモノの旅好きだ!!!
さ:性に合ってるみたいです。
日本人は新しいもの好き。ブームで自分の活動を終わらせたくない
さ:日本人って新しいもの好きでブームとしてすぐに出来事を忘れてしまうじゃないですか。
ハ:確かに日本人は新しいもの好きですよね。
さ:戦争や震災とかもどんなにひどいことがあっても、すぐに忘れてしまう。そんな感じで動物の殺処分の事例も一時の問題としてで終わらせたくないんですよね。
ハ:ブームで終わらせたくないということですね。
さ:そうですね。自分が発信している情報が、動物と人間の在り方を考える文化として根付かせる土台になりたいですね。パンケーキ(ブーム)ではなく、人々の生活に根付くラーメン(文化)になりたいですね。(笑)
(ハ:福岡人…)
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どうやって世界一周に踏み込んだのか
ハ:世界一周に踏み込んだ理由としては何だったんですか?もともと旅が好きだったとか?
さ:小さいころから「世界を見たい」とか「獣医になりたい」という気持ちがあって今はそれが結び付いてますね。小学校のやりたいことを発表する際は、「走って世界一周する」って言っていました。
ハ:走って世界一周はヤバイっす。
さ:小さいころからUNICEFとかの募金をしていて、どうしてここ(募金箱の写真)に写っている子どもたちは自分と同じ生活ができないんだろうって思ったり。
無駄に殺されてしまっている動物がいるということを知って、「なんで?」と思ったところからもっと世界を知りたいと思うようになりましたね。
(獣医師としては)動物のQOLをあげることで人間のQOLも上げていく。子供の教育につなげていくというのが目標ですね。
動物愛護団体って固定観念とかで「こうじゃなくては!」と押し付けてしまうこととかがあるので、そういうことは避けたいなと思います。そのこともあってもっと世界を見たいです。
ハ:固定観念を持っている人を打破するには自分の経験を伝えるのが一番ですもんね。
_仕事を辞めるに至って…。
ハ:そういう小さいころからの強い想いがあって、前の仕事先もすんなり辞めることが出来たんですかね?
さ:そうですね仕事自体は好きだったんですけど。そこで一生働くってことは考えていなかったですね。
ハ:終身雇用の時代でもないですしね~。
さ:それに「就職したら一生ここ!」っていう考え方もないし、(就職も)生きるための手段の一つとして考えていて…
それに結局人間が何しても無駄って思うんですよね。
(ハ:おや…?笑)
人間はちっぽけなものだから心配しなくていい
さ:人間を含めた今生きている動物って、結局遺伝子のゲノムシステムで動いているものであって、塩基配列だけのもので。
ハ:ほぅ…。
さ:システム化されているもので、人間がここまで考えてしまうのも、ただ脳が発達してしまっただけであって…。そういうもの(システム化されたもの)に地球や自然にとっては100%の価値観みたいなものはないんじゃないかって。
(ハ:なんか話が難しくなってきたゾ…。)
さ:豊かさとか貧しさとか、何がいいか悪いか、を人間が感じてしまう。そういう感情の中に無理やり価値観を当てはめて動いているだけで。人間が作ったその価値観を求めて生きようとしないと、人間として生きている意味はないんじゃないかなと思います。
ハ:ただ呼吸して生きているだけじゃだめっていうことですかね。
さ:そうですね。もし人間が表面で何かをしようとしたところで、地球とか宇宙とかは何も価値を感じることはないし。だから、人間が何をしても大丈夫なんですよ。自分が好きなことできるのはそういう考えがあるからですからね。
自然破壊していいとかそういう意味じゃないですよ。人間が何をしたところで(自然にとっては)何にもならないんで、気にしなくていいんですよ。
ハ:今やっとさとみさんが言わんとすることが理解できた気がします!(笑)
さ:人間は遺伝子に支配されていて、すべてシステム化されたなかで生きているんですよ。その遺伝子を引き継ぐために、人を器として生きているだけで。人間も、動物も植物も、カビも同じ生物です。
ハ:人間をも客観的にみてますね。(笑)宇宙とかに比べたら人間はちっぽけなものだから、何も気にしなくてやりたいことやればいいってことですね!
まとめ
さとみさんは、強い信念を持って世界を飛び回る獣医師さんです。
人からみたらすごい思い切ったことのように思えることでも、彼女にとってはすでに小さいころから決まっていたこと。やると決めていたことなので、獣医師になったことも世界一周をすることも「なるようにしてなった、そういうもの」だそうです。
常に好奇心を持ち、それがのちのちの行動と直結している。
そんな姿勢、身につけたいものですよね。
さとみさん、インタビューにご協力ありがとうございました!
動物に対しての人々の理解を促進し、社会に獣医師という立場から問題提起をしていく。
そんな、さとみさんのご活動をこれからも応援しています!
さとみさんの旅ブログはこちらから▽
Animal Traveler 犬と猫を探して世界を歩いてみる
動物の写真を見たい方、世界の絶景の写真をみたい方、さとみさんがどんな人物か興味が出てきた方。是非ブログ読んでみてください!!
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