コラム

外国人による日本語の言い間違いを、メディアが笑いとして利用するのを許せません

コンビニの外国人スタッフがした日本語の間違いを笑うというテレビ番組があったそうで、動画を見て胸が痛みました。私も海外で生活しているので、「言い間違いを笑うこと」に関して思うことは色々ありますが、今回は特に、多くの人が目にするテレビを通して、影響力のあるタレントの方々が話していたからこそ問題だなと私は思います。

 

コンビニでの仕事はマルチタスクになること、日本語は特に習得に難しい言語であることをふまえたら、通常であれば日本で働く外国人の方には頭が上がらないばかりなのですが・・・

 

この記事では、第二言語である英語を学びながら日常的に使用して生活している私が、今回のことで感じたことについて書きたいと思います。

 

外国人の日本語間違いを笑ってしまったときは、申し訳ないと思って欲しい

海外で生活をしているので、英語を日常的に使用しています。私が使った英語が間違っていて笑われたときもありました。笑われると傷つきますし、次に言葉を発するのを躊躇うようになります。間違ったことを言うのが嫌で、メッセージなどで連絡をするときは心配な言葉は一語一句調べてから書くようにしたときもありました。

 

日本人が英語を話すときにRとLが壁になることは、ネイティブスピーカーにとってはもはや周知の事実で、それを話題にあげられ笑いの種にされることもあります。私が話していることに対して直接笑っていなくても、正直あまりいい気分はしません。

RとLの発音ができるかどうかelection(選挙)と言わせてみる、みたいなこともされましたけど、それをやられる度に「ほっといてくれよ」と思います。ていうかセクハラだし。(erectionは勃起という意味。)

 

笑われるのって、傷つくんですよね。こちらが真面目であればあるほど。もちろん、笑った側は馬鹿にするつもりなんてものはなく、単純に予想外の言葉になったから面白くて反射的に笑ってしまったということもあるでしょう。

 

でも、その笑いには常に「笑ってしまって申し訳ないな」という気持ちが伴うものであって欲しいし、もし反射的に笑ってしまったのであれば謝って欲しいな、と思います。

 

多様性がある社会ほど間違いに寛容的だと思う

先に書いたことを覆すようになりますが、私の英語を笑ってくる人にはあまり会ったことはないです。何度か笑われたこともあるとは思うのですが、英語を使用するのが嫌になるというほどまで、笑われるという強い経験はした覚えはありません。

 

英語にもアメリカやイギリスなど話される場所によって発音や使用される単語はかなり異なりますし、移民が多い国では特にいろんな国から来た人が英語を使用しているので、間違った文法を使い、アクセントや訛りが強い英語を話す人がたくさんいます。

 

そういった事情から間違いをいちいち笑っていてはどうしようもない、ということが前提であるのかもしれませんが、それ以前に馬鹿にするような笑いは「失礼」だと捉えられている文化が主流であることを生活していて感じます。そのため、間違った英語を話すことで笑われることは多くありません。

日本では、コンビニなどで外国人の採用が最近多くされていることから、これまで外国人と接点がなかった人が、外国人が話す日本語を聞く機会が多くなりました。

 

最近になってこういう状況がよく見られるようになったので、「失礼」という認識を持たず、彼らが話す日本語の間違いに対して笑ってしまったり、「日本に来る前にちゃんと日本語を勉強してこい」とか言ってキレる人がいます。そんな風に怒ってしまう人は、義務教育で習った英語を自信持って話すことはできるんでしょうか・・・

 

多様性がある国に住む人が、外国人が一生懸命その国の言葉を話そうとしている姿を笑うことがないように、第二言語として日本語を話す人が多くなることで、社会に多様性が生まれ、日本に住む多くの人の意識も変わるかもしれませんね。

 

メディアは助長するのではなく、間違いを笑わないことを広めるようにして欲しい

今回問題になったお笑い番組に話を戻しましょう。私はもともとお笑い番組が好きで、日本にいたときによく観ていましたが、容姿や差別で笑いをとっていることに、そしてそれを観て真似した日本人が行う「イジリ」に繋がっていることに嫌気がさして最近は観ていてもあまり楽しめなくなりました。

 

今回の「日本語の間違いを笑う」問題も、間違って使用した日本語を「笑うか笑わないか」より、公共の電波で人を馬鹿にした内容のものが普通に流れてしまうことに強い違和感を覚えます。

 

ただでさえ、足りない労働力を外国人労働者で補おうとしているにも関わらず、このように受け入れ側の体制(文化A)が整っていないのであれば、せっかく来てくれた外国人も日本に飽き飽きして自国に帰ったり、他の国に移動したりしてしまうでしょう。

 

メディアは、外国人の日本語の間違いを笑いのネタにするのではなく、こういった行為は失礼であるという考えを視聴者に伝えたり、視聴者が自分の振る舞いを考え直すきっかけにするために使用して欲しいなと思います。

 

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ハルノ
ハルノです。 なんだか窮屈になり、外に飛び出しました。 皆を癒すゆるキャラになりたいのですがこの爆発した気持ちを抑えきれません。 ライティングしてます。 ご依頼はお問合せフォームまたはSNSからメッセージください。